7.バーチャル・リアリティにおける3次元視

7.1 バーチャル・リアリティ空間、3次元ビデオカメラによる3次元空間、および現実空間の奥行距離特性
 バーチャル・リアリティ(VR)で構成された3次元空間、3次元ビデオカメラによる3次元空間、および現実空間の3種類の空間の絶対的奥行距離知覚が測定され、相互に比較された(Hayashibe (11))。屋外空間(奥行100mの道路を挟んで3階建てのビルが両側に並ぶ空間)、屋内空間(奥行9mの教室空間)の2種類の現実空間が選択され、次いでこれと同一の空間がVRで作成され、また3次元ビデオカメラで撮影された。視かけの絶対的奥行距離は、マグニチュード評価法で測定され、その結果、屋内と屋外の現実空間のベキ指数は、0.95と1.01を示したが、VR空間とビデオカメラによる空間のベキ指数は0.53から0.80の範囲に落ちることを示した。これらの結果から、VR空間とビデオカメラにようる空間での絶対的奥行距離知覚は、過小視されていることがわかる。