図10 眼球間の時間的対応不一致による両眼視差で生起させた刺激がオクルードされることによって生じる主観的な奥行面の出現。a:縦方向に並べた3つのドットを左から右方向に運動させ、点線で示した枠内(実際には点線は提示されない)に入ったら消失させると、点線で示した矩形が主観的にドットをオクルードして矩形が主観的に奥行出現する(左端図)。ここでは右眼の刺激が消失し続いて左眼の刺激が消失する(positive temporal interocular asynchrony、PTIOA、TIOA>0)。このようにすると、観察者には3つのドット刺激が主観的な矩形面にオクルードされて視える(右端の図)。b:ドット刺激が右から左方向に運動する場合(PTIOA、TIOA>0)。c:ドットが左から右方向に運動するするとともに、点線で囲った矩形面も同方向にドットを上回る速度で運動しドットをオクルードする。しかも、ここでは左眼の刺激が右眼の刺激より先に消失する正常ではない事態(negative temporal interocular asynchrony、NTIOA、TIOA<0)を設定。d:ドットと矩形面が右から左方向に運動し矩形面がドットをオクルードし、しかも右眼の刺激が左眼の刺激より先に消失する正常ではない事態(NTIOA、TIOA<0)を設定。e: このような刺激事態(PTIOA)の場面推移は図eに4フレームで示されている( Ni, et al.2010)。