71 ステレオデスプレイに提示したオプティクフロー。観察者が赤色のワイアーフレームで作った多数の奥行の異なる対象の中を正面に向かって動く事態がシミュレートされている。左端列は前額平行面から見たフロー、右端列はその上面図。この対象群の奥行の中心に置いた1個のプローブドット(黄色表示)が注視点(緑色表示、ゼロ視差)の右あるいは左に置かれ、垂直方向に動く。(a)ディスプレー全面条件(full display condition)で、対象が円錐体状の範囲に奥行配置され、局所的な運動情報が与えられるように奥行的にも前額平行的にもプローブの周囲に近接させた。(b)局所的な奥行をもたないディスプレー条件(no local depth display condition)で、上下の対象群の中央間隙には対象を配置しない。この事態では、プローブ対象と同等の奥行から生じる局所的な運動情報が除去されるが、ただプローブ近辺の対象は損なわれず、ここからの局所的な運動情報は維持された。(c)局所的な前額平行の視えをもたない条件(no local frontal view display condition)で、対象は観察中常に円錐体状の範囲に奥行配置されるが、プローブ対象の4°(平面図上)以内には対象を配置しない事態。ここでは、プローブ対象の網膜近辺からの局所的な運動情報は除去されるが、ただプローブ近辺の対象は損なわれず、ここからの局所的な運動情報は維持される。(d)半球状のディスプレー条件(hemifield display cindition)でプローブのある半球内には対象は置かれていない事態。ここでは、グローバルな運動情報のみが利用でき、また観察者の自己運動による運動要素を差し引きできるために対象と自己運動のオプティクフローを区別できる事態(Niehorster & Li 2017)