75 後退する対象を面前にもつオプティクフローからのMSTdモデルによる自己運動ヘッディング方向(自己運動)の予測。視野の中央(0°)に前進する自己運動によって放射状の拡張パターン(a)は拡張セル(expansion cells)を最大に活性化する(b:太い黒色のカーブで表示)。一方、後退する対象による縮小パターン(c)は観察者が静止している場合は最大の縮小セルを活性化する(d:太い灰色のカーブで表示)。前進する観察者が後退する対象を伴う場合、それによる拡張と後退パターン(e)によるそれぞれのセルの活性化は、「no-interaction」モデルでは、bとdに表示した曲線に近似し、したがって後退対象は自己運動のヘッドディングに影響しないと予測される。MSTdモデルで「full-interaction」を仮定すると、拡張と縮小の活性度はそれぞれの側抑制(bdの点線で表示)の影響(fg)を加算的に受け(h)、自己運動のヘッドディングを偏向(bias)させ、ヘッドディングの知覚する方向を変えると予測する (Layton & Fajen 2017)