秋日和


 

 

 長雨から猛暑、そして大雨へ変わり、10月に入り快晴が続く秋らしい天気で秋日和だ。秋日和といえば、小津安二郎監督の同名の映画を思い出す。これは未亡人とその娘をめぐる再婚と娘の結婚に絡んだ物語で、再婚を諦め、娘の結婚を祝福することで終わっている。印象に残ったのは、この話では無く、修学旅行生が宿屋で歌った。「山小屋の灯」であったと中学生だった私は記憶している。この歌はその後も、「のど自慢」でよく歌い継がれた。

 秋日和とは秋の中頃の良く晴れた気持ちの良い爽やかな天気で、秋晴れともいう。草城は次のように詠む。

「わけ入りて山うつくしき秋日和 」

「一歩出てわが影を得し秋日和」

「昼の夢をはりてもなほ秋日和」

草城は、秋日和にしみじみと寄り添い、その感興を詠んでいる。

「亡き人としみじみ語る秋日和」

21年10月0