大根の種まき











 秋雨前線の影響による長雨が晴れ間を1日おきながら1週間ほど続いているが、今日は朝方から雲が多いものの晴れ間が出ている。この間に大根、ほうれん草、水菜の種を蒔こう。いま播いておけば11月中頃には収穫できそうだ。大根の種は一粒が1mm程度と小さく、こんな小さな種からあんな大きな青首大根ができるのかと不思議で、種の秘めた大いなる力を感じさせる。
 大根は紀元前2200年頃には古代エジプトで栽培され食されたという記録があり、日本では弥生時代には伝わっていて平安時代中期には園菜類として於保禰(おほね)として記録されているという。根の長さ・太さ、形状も多様で、皮の色も白が普通だが、それ以外に赤、緑、紫、黄、黒などの種類があり、味噌汁、漬け物、鍋物の具、大根おろしなど使い方もいろいろだ。

「あんたが来てくれる大根もふとうなつてゐる」

「のびあがりのびあがり大根大根」

「こゝろあらためて霜の大根をぬく」
3つの俳句は自由律俳人種田山頭火の自画像 落穂集にある俳句でいずれも大根を詠んでいる。1句では大根も太く成長する頃にはきっと知人が再訪してくれると待ち望む気持ちを、2句では並んだ大根が競うように土から背丈を伸ばす様子を、そして3句では成長した大根をぬくのはその命を抜くようですまないと、詠む。

「大根の二葉に秋の日さし哉」
正岡子規の句。大根は種を蒔くと数日で2枚葉を芽吹くが、それが秋の日を受けてまぶしいくらいに美しく見えるという。

「大根や驚く種の力秘め」 敬鬼

                       2018915