どんと焼き
正月15日が過ぎたので松飾りをはずしたが、いまはどんと焼きが行われていないし、庭でのたき火もできないので、どのように処分するか毎年困る。正月飾りは神事の道具でもあるので頭の痛いところである。たいていしばらく置いておいてバラバラにしてゴミとして出すことになる。どんと焼きは、左義長とも言い、子どもの頃には神社や田んぼで1月15日の夜普通に行われていた。その年の門松、松飾り、注連飾り、書き初めで書いた物を持ち寄って焼き、その火で餅を焼いたものだった。これは、歳神を門松などを焼くことによって送るという意味があるという。
「くろこげの餅見失ふどんどかな」
室生犀星の一句。火柱が数メートルにもあがるので、往々にして餅が黒焦げになりがっかりさせられる。
「どんど焼きどんどと雪の降りにけり 」
一茶の俳句、北信濃ではこの時期よく雪が降るが、こんな晩でも雪の中でどんと焼きは行われた。雨と異なり雪の中では燃え上がる火は幻想的でさえある。
「どんと焼き火照りのなか寒さかな」 敬鬼
2019年1月19日