中学同窓会











 10月中旬、中学校同窓会が郷里の駅前のホテルのレストランで行われた。すでに60年が卒業から過ぎたが、一クラスで十数人人前後が集まり、10年ぶりか位で旧交を温めた。鬼籍に入った同窓生も何人かいたし大病を報告した者もいたが、ここに集合した男や女は健康の懸念をぼやきつつそれなりに元気のように見受けられた。皆が後期高齢者の仲間入りで今後、何回、何人集まれるかも心許ないためだろうか、気分が高ぶり、賑やかながらどこか淋しさを隠した集まりとなった。これまで無事に生きてこられたという安堵感とそれなりに頑張ってきたという少しの自負心、そしてこれからの先のわからない余生の不安とがないまぜになって、自分を含めてい高揚したからであろう。

「鞦韆の月に散じぬ同窓会」

1930(昭和5)年に夭折した愛媛県出身の芝不器男の俳句。鞦韆(しゅうせん)とはぶらんこのことで、ぶらんこで遊んだ懐かしい友垣も、同窓会がはねると、それぞれに今の顔に戻っていく。その感慨を詠んだ句である。

「高ぶりてやがて寂しき同窓会」 敬鬼

                         20181022