お盆の墓参り








 お盆の墓参りと兄弟一同の恒例となった会食のため長野市に一泊二日の旅行を夫婦、娘も一緒に旅した。ちょうどお花市の日でお墓にもっていくお花を売るテントが歩行者天国にたくさん出ていて賑わっていた。たまたま本願寺別院の前を通りかかったので、祖母と叔父の墓に久しぶりに展墓した。何年ぶりだろうか。南無阿弥陀佛と彫られた墓石は昔にままに屹立していたのには過ぎにし時に感慨を覚えたものだ。このあと、門前町を善光寺まで辿り、暗くなった本堂で手を合わせた。
 翌日、戸隠は柵地区の大昌寺にある両親の墓を1年ぶりに詣でた。夜、一雨あったとかで墓石に汚れが目立ったので水をかけ清めた。ご苦労さんといわれたような気がした。

「しぐれしたしうお墓を洗つていつた」
 種田山頭火の句で、時雨のあと自ら墓を洗ったと詠んだ。

「ひるを臥て展墓のゆめや秋の風」
 蛇笏の句。昼寝をしていたら墓参りをする夢を見た。風はさわやかでもう秋だと告げる。

「無沙汰詫び声かけながら墓洗う」 敬鬼

                                    2018年8月18日