花桃



 

 
団地の家の庭庭に咲いている花桃が満開となり、今年は陽気が良いためもう散り始めた。この樹木の花は強いピンク色でしかも枝にびっしりとつくので大変に華やかだ。これは、もともとは桃の木で江戸期に花を観賞するために改良されたものだという。実は小さくて食べられない。  この地域の近いところの名所には、南信州阿智村の花川温泉が花桃の里として知られ、5月の連休の頃は4kmにわたって川沿いに花桃が咲き、見事な眺めだ。数度、五月の連休あけ、花桃が盛りを過ぎた頃、テニスの同好会で合宿をしたことがあるが、そのときの里の風景は印象に残るものだった。

「小娘も畑うつ頃や桃の花」

「桃さくや李白は樽を枕にて」
子規の俳句。「桃の花」という句集があるくらいで、桃源郷のような桃の花を愛でたようだ。 

「花桃や桃源郷もかくありなん」 敬鬼

                       2018425