花散る







 花冷えでもっていた桜花も落下盛んとなり、葉桜となった。桜は豪華絢爛に咲くが、散るときも少しの風に誘われるように惜しげも無く花を周囲に広く散らす。散り際はには未練ないように感ぜられる。これは椿などと異なり、ひとつじずつ落ちるのでは無く、ある時点で一斉に散り葉桜となるからであろう。

 子規の俳句。
「いそがしや花散りかゝる二三日」
 花が一斉に散り始め今年の花見も終わりだ。それでも23日は散るのにかかるだろうが、花もそれをみまもってやろう。

「花散つて心やすくも寝入りけん」
桜花の散るのを心穏やかにはみていられない心境か。散ってしまえばそれはそれで心が安んじると詠む。

「惜しまれて舞うように散るさくら花」 敬鬼

                                                                 2019年4月20日