お彼岸は秋分の日を挟んで前後7日間をいう。今年の秋分は22日だから19日から25日の間となる。この期間に墓参りなど先祖の供養をする事で極楽浄土へ行くことが出来るされる。
 極楽浄土に咲く仏の花は蓮である。蓮は池の泥の中から生長し美しい花を咲かせるので、極楽浄土にふさわしい花とされたらしい。原産地はインド。仏像も蓮華座とよばれる蓮の花をかたどった台座に座している。
 蓮の花は7月に開花し9月まで咲く。一茎にひとつの花しかつけない。その種の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長い間保持する。千葉市にある弥生時代の落合遺跡で蓮の種子が発見され、発芽を試みたところ、なんと2000年の時を経て発芽したという。発芽を成功させた大賀一郎博士に因んで大賀ハスと呼ばれ、信州の善光寺の大勧進の池にもその種が分けられ、一面に育っている。
 蓮の地下茎は蓮根であり、食用となる。砂糖醤油で炒めるとおいしい酒の肴となる。種子は白い実をしていて、これも食用とされる。トウモロコシに食感が似ている。茎も食べられ、煮物や漬け物にされる。花は蓮茶として飲用されるので、蓮は余すと来なく食用にされる。

「蓮開く音聞く人か朝まだき」
子規の俳句。蓮は早朝に花を開くとき、ポンと音をたてて一気に咲くといわれていたことを踏まえての句。しかし、蓮の花は一気に咲くことはなく、数時間かけてゆっくりと開く。夏休みの自由課題で、子どもと一緒に観察したので確かなことだ。

「かならずよ一つ蓮と書き残す」
これも子規の俳句。平通盛の妻小宰相が思い人の討ち死のあと来世での契りを願って入水した故事を踏まえての俳句のようだ。

「大賀ハス千年の時今に咲く」 (敬鬼)

                               2016918