初雪





 

 
今年の冬は寒い。平年より平年より4日、去年より33日早く初雪がちらついた。今朝の名古屋は最低気温は1.2℃まで低下。これが初雪をもたらした。
 初雪は、その冬のはじめての降雪をいう。稚内では10月22日、仙台や新潟11月24日、名古屋12月20日、大阪12月22日、福岡12月15日が降雪の平均値だそうだ。初雪を喜ぶのは子どもで、大人達は寒いし、濡れるし、滑るので閉口する。

「初冬に何の句もなき一日かな」
 子規の俳句。雪降りの日、雪がこんこんと降る様子をガラス窓越しに終日眺め、それに魅せられて何一つ句を思いつかない。なんとも風雅な俳句である。

「初雪や俵の上の小行灯」

「見渡せば初雪つもる四里四方」
一茶の俳句。北信濃の野尻湖の近くの柏原は雪深いところだ。一茶は晩年、江戸から帰郷し結婚して女の子をもうけた。その頃の俳句だろうか。初雪は軒下に置いてある俵にも積もり、まるで小さな行灯を置いたようにボーと光っている。初雪は降り出すとみるみる野や山の降り積もる。こんな情景を詠んだものだろう。

「初雪や口あんぐりとはしゃげけり」 敬鬼

                          2016年12月18日