初桜



 暖冬のため桜の開花が全国で早まった。ここでは、3月12日には開花しほころびはじめた。日当たりの良い桜の木で、毎年最も早く開花している。気象庁の発表でも開花は3月17日となったが、7日早いとのことだった。3日くらいの間に瞬く間に開花し、春がやってきた事を実感させた。樹木の季節タイマーは、良くプログラミングされていて驚嘆する。光のサイクルと気温の変化とサイクルが関係するらしい。多分、樹木の何処かに季節を感知するところが隠されているのだ。
 春の到来を告げるのは桜が一番だ。芭蕉、一茶、子規など古今の俳句をさぐると、春が来たことの喜びを詠う。

「初桜折しも今日はよき日なり」 芭蕉

「見かぎりし故郷の山の桜かな」 一茶

「しんとして露をこぼすや朝桜 」 子規

「初桜また廻り来て精気燃ゆ」   敬鬼

                                     21年3月26日