日脚伸ぶ








3月に入ると日脚も長くなったと感じる。日の入りは6時手前になるというから散歩していても明るく

なったと感じるのは実感だ。1月初旬は5時前に日没をむかえ暗くなるから、その差1時間は大きい

 
 「日脚伸ぶ」は晩冬の季語であるが、春を感じさせる句が多い。

「日脚伸ぶ今年為すこと多きかな」

虚子の俳句。冬ごもりが終わり抱いていたことに取りかかりたいものだと決意を詠んでいる。

「点滴一架日脚の長くなりしかな」

石田波郷の句。肺病で療養が長かった俳人。入院して点滴をうけていると、窓腰の陽が長く日の暮 
れが遅くなったと強く感じる。

 「日脚伸びゆするブランコ影長く」     敬鬼

                                              2020年2月10日