かたつむり 

 
 周期的に天気が変わり、週の半ばは決まって雨となる。そんな時に這い出すのはかたつむりだ。それらの大半はまだ小さく赤ちゃんかたつむりのように見える。かたつむりは他の個体と相互に交尾することで受精し産卵するが、雌雄同体のため自家受精もできるという。もっとも、かたつむりの交尾は見たことがないが、小さなかたつむりが生まれてきているのを見れば、どこか土のなかに産み落とされ孵化するようだ。赤ちゃんのかたつむりは小さくても殻を背負い、かたつむりの形をしている。1年くらいは生きるらしい。

 そのユーモラスな形状からかたつむりは子どもには人気がある。
「でんでん虫々 かたつむり、
お前の頭はどこにある。
角だせ槍(やり)だせ 頭だせ」
 これは明治44年の尋常小学唱歌だが、作詞者、作曲者ともに不明である。きっと古くから歌い継がれた童歌かもしれない。
 登校中の虫好きな女の子がかたつむりをみつけ、手のひらに載せて見せてくれた。

「にゅるにゅると子どもの手の平かたつむり」

「かたつむり若葉の上から目玉出し」 敬鬼            

                                2016514