暖冬の冬なので今年は初雪もないと思っていたら、風花が舞った。風花は、晴天にちらつく雪をいい、風の吹く寒い日の雪が桜花が散るように舞う。風花が見られるのは、冬型の気圧配置が強まり、大陸からの寒気が日本海側で雪を降らせ、その雪雲の一部が太平洋側に流れ込んできたときである。桜花が散るように舞うので、風流な自然現象と言える。文学、音楽、映画などのタイトルにもなる。
「日ねもすの風花淋しからざるや」
「風花はすべてのものを図案化す」
高浜虚子の俳句。1句では一日舞い続ける風花を淋しくないのだろうかと問い、2句では風花がまわりの建物を良い具合に隠して、すべてを良い形に変えると読む。
「風花や舞台の中に吾ひとり」 敬鬼
2020年2月20日