小春日





 暖かい日和りが3日ほど続いた。小春日和だ。晩秋のこの時期の春のような暖かさの日を小春日という。北アメリカでは同様な天気をインディアンサマーと呼ぶそうだ。冬に入り冷たい風が吹く日が多くなるが、その合間に数日暖かい日が入ると、日だまりを求めて温みたくなる。犬やネコも同じとみえて日だまりでぬくぬくとしているのは微笑ましい。

「小春日や石を噛み居る赤蜻蛉」
村上鬼城の俳句。冬となり赤蜻蛉には命の限りがみえているが、その最後の時を日だまりの中で暖まった石を囓って過ごしているといった光景を詠んだものだろう。小春日と赤蜻蛉の2つの季語、季重なりの句だが、俳句の内容から小春日が主たる季語だろう。

「ほんに小春のあたたかいてふてふ」
種田山頭火の俳句。季節外れの蝶々も飛び回る暖かい小春日だと詠じた句。
「小春日の母の心に父住める」      
深見けん二の作句。母の父に対する小春日のような心を子から偲んでいる。
「陽だまりや犬と相席大あくび]

                         20161119