三日月、木星、金星の一直線



  

 年が明けたと思ったら、もうじきに節分、翌日は立春となる。明け方5時頃起きて新聞を広げ、クラシックの古い録音のCDを聞いていると5時半過ぎには夜が明けてくる。真っ暗な空が黄金色の淡い光に彩られ、しだいに濃い藍色から薄い青におおわれてくる。なんとも言えずに美しく、しばし新聞から目を上げて見とれる。
 131日、珍しい天体現象が起きているのに目を見張った。それは東南の低い空に三日月、その上に明るい木星、そして少し離れて金星が輝いているではないか。あわててカメラのシャッターを押した。もちろん肉眼には大きく鮮やかでもカメラに取るとそれは小さな点にしか写らないが、それでもはっきりと見分けがつく。
この現象は、国立天文台の星空情報にも掲載されていた。それには、「31日、そこへ再び、欠けゆく月が、今度は木星から先に近づきます。この時も、十分に近いので、双眼鏡での観察をお勧めします。そして、翌21日には、月は金星の左下まで移動します」とある。木星と金星が接近することは毎年起きるが、それに三日月が加わって一直線に並んだのを75年の間で初めてである。

「三日月や木金星ら逢着す」 敬鬼

                                                  2019年2月1日