夏終わる









 日中の気温が35度を超え、最高41度になる酷暑の夏も終わりに近づいた。台風も四国から中国地方に来襲し、その余波で強い風がここ東海地方も一晩さらされた。そのためか、日中の気温は32度前後でこれまでに較べれば過ごしやすい。
 今年も夏の終わりに近づいていると実感する。盛夏時は暑さに辟易するが、それなりに活気が感じられる。しかしそれが峠を越し秋に近づくとほっとするもののなにかわ寂しい。人生と同じで盛りを越したことを類推するからだろう。

「塔高く空の不安に夏去ぬる
飯田蛇笏は、見慣れている塔が碧い空に映え高く見える。どこまでも高き空に今年の夏も過ぎ去った感じその時間の経過に不安をもつと詠む。

「夏行けり西湖に白き鱒の腹
渡邊白泉の句。富士五湖のひとつ西湖のマスが白い腹をみせて反転して泳ぎ去った。マスの動きに今年の夏も終わり秋が来ていると詠む。

「寂しきか草花しおれ夏終わる」 敬鬼

                                  2018年8月25日