立秋




 学校も夏休みに入り、夕方になると子ども達が三々五々集まって駆けたり、ボールを蹴ったり、ジャングルジムで遊んだり、それはそれは賑やかだ。クマゼミの鳴き声と子どもの遊ぶ声でひとしきり五月蝿いくらい。
 それでも暦の上では立秋を過ぎ、夕方そして朝方には風も涼やかになった。日の出も
5時過ぎとなり、秋の近づく足音が聞こえそうだ。

「秋たつときけばきかるる山の音」
 飯田蛇笏の俳句。山の音とは秋になり激しい風に木々が立てる音で、心を波立たせ不安にさせる。いままで聞こえなかった山の音が、立秋と聞いた途端に聞こえてくるようだと詠む。
「秋立つや一巻の書の読み残し」
漱石の句。もう秋になったのか。そういえばまだ本が読み終えていなかったな。

「秋立つや盆の季節も過ぎにけり」 敬鬼

                        2017815