立春








 もうすぐ立春だ。心なしか水も温んできたようか。立春(23日)は冬至と春分の中間に当たり、この立春から立夏までが暦に上では春となる。旧暦ではこの立春前後にお正月がくる。節分は立春の前日をいい、お寺では集まった善男善女に豆などを蒔き、家々でも子どもを中心に「鬼は外、福は内」を唱えて豆を蒔く。

「大和路や春立つ山の雲かすみ」
飯田蛇笏の俳句。春になり気温があがると春霞がたつ。それを大和路という古代日本の場で詠んだ雄大な句である。

「春立つと拭ふ地球儀みづいろに」
山口青邨の俳句。気温が上がると、それまでおっくうだったこともやってみようとなる。地球儀にはいつのまにかほこりが積もる。それはわかっているのだけれど寒いと気が進まない。地球儀を外に出し、ほこりを拭うと海を示す水色があらわれ、なんとも新鮮だと詠んでいる。

「節分の豆撒く声や灯り窓」 敬鬼

                             
                                   
2017129