桜の花と葉



 

 書斎から見える小公園の桜の花がほころび始めた。今年は例年より
1週間程度早いようだ。ここにきて気温の高い日が続いたためか。梅も同様だが、桜は花が先に咲いてそれの後に葉が出る。野菜などは葉が出て十分成長してから花が咲くのとは逆だ。

 しらべてみると、日本植物生理学会(JPSS)のホームページにこの質問に対する回答がでていた。JSPPサイエンスアドバイザー の佐藤公行さんによると、花が咲くのが葉の展開に先行する理由は、風や虫による受粉を考えるとき葉の中に埋まる花よりは効率的に受粉できるからのようです。しかし、この問題は研究中で結論はまだ出ていとのこと。この問題は受粉など生殖過程と葉が茂る栄養蓄積の過程に関わるものなのだそうです。春の咲く樹木、梅、桜、桃、もくれん、花の木など先に花が咲くので、生殖過程を優先しているといえるようです。
 桜を季語とした芭蕉の俳句を二つ。

「命二つの中に 生たる櫻哉」
見事に咲いたこの桜はなんと私と大事なもう一人の間に生きているように感じられることだ。

「うらやまし浮世の北の山桜」
北の国のこの山桜は世間の柵を離れ、まるで超然と静かに咲いている。うらやましいことだ。

「桜には華やぎあわれ併せ持ち」 敬鬼

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