三寒四温



 

 冬から春に移る頃、3日続けて寒く、その後4日間温かく なる循環的気候をいう。そしてしだいに温かくなっていく。これは交互に低気圧となって寒さが続き、また高気圧に移って温かくなるからだ。週の初めは天気が良く週末に低気圧がきて雨で寒くなる周期ようだ。歳が行くと一度温かくなり、寒の戻りがあると辛いものがある。寒さは意外と健康維持に悪いようだ。

 次の2句は蛇笏の俳句である。

「寒中の風鈴が鳴る四温かな」

寒い中、珍しく風鈴が聞こえる。ようやく春先になり温かくなるのだろう、と詠む。

「凍てつぎて四温たまたま石蕗の濡れ」

凍り付くこの頃だったが、今日この頃は四温だろうか、ツワブキの葉も濡れている と詠んだ。

「老いむかえ寒の四温に和むかな」


                                                           21年2月26日