五月晴れ





 コロナウイルスによる感染が止まらない月日が2ヶ月ほど続いている。その間、早春から初夏へと移り、桜が終わり、花水木が終わり、そしてさつきとふじが満開を迎え、バラ、ボタンも華やぎを添ている。
 昨日は夜半に大雨となり、軒を雨風が叩いていたが朝になるとうそのような晴れ間が広まった。五月晴れだ。まるで鬱積した気分を打ち払うかのような空だった。

 子規は五月晴れの季語で多くの句を詠んだ。どれも五月晴れの下、身の回りに起きたことを句にし、さわやかな気持ちなったことを表している。

「うれしさや小草影もつ五月晴」

「病床をそと移しけり五月晴」

「薔薇を剪る鋏刀の音や五月晴」

「夜大雨空の底脱けさつき晴れ」 敬鬼


                                              2020年5月10日