新年








  2017年、平成29年を迎えた。新しい年は、こちらの意識が迎えたいあるいは迎えたくなくても、勝手に歩んでくる。慈悲深いのかあるいは無慈悲なのか、それはこちらの心の持ち方によるのだ。もし先が限られた命ならば、時の過ぎゆくのは無慈悲だろうし、もし先の期待することがあれば着実に歩む時の姿は慈悲だろう。

「オリオンの盾新しき年に入る」
橋本多佳子の句。戦中から戦後の同時期に活躍した中村汀女・星野立子・三橋鷹女とともに四Tと云われ女流俳人。日頃見逃している星座オリオンの盾も新年を迎えると新鮮に見える。年があらたまるというのは人間側の問題だといっている。

「間髪を入れずして年改まる」

阿波野青畝の句。高浜虚子に師事。昭和初期に山口誓子、高野素十、水原秋桜子ととも「ホトトギスの四S」といわれ、当時を代表する俳人。大晦日から新年はこちら側を何ら斟酌することなく、間髪を入れずにあらたまる。実感かな。

「日めくりの厚さ確かむ新年かな」敬鬼

                         2017112