杉の花



 

 
 平成
30年は429日から56日までが黄金週間となった。前半は好天気に恵まれたが後半は荒天ではじまった。われわれ夫婦と娘は、息子夫婦と孫を訪ねるべく東京を経て宇都宮に旅行し、鬼怒川温泉に2泊した。これはわれわれ夫婦には新婚旅行オンスモアであった。48年前のことだ。それだけ懐かしくもあり楽しみでもあった。

 東京駅は大変な混雑だったが新幹線乗車券を予約しておいたので、スムースに目的地に着いた。昼食は宇都宮餃子を食した後、息子のジムニーで日光市を経て温泉に向かった。38年前は東武日光線で浅草から2時間かけ鬼怒川温泉に向かったことを想い出した。
 宇都宮から日光市への途中、大きな杉並木の街道を通過した。これは家康の近習を勤めのちに大名となった松平正綱が20年余りの年月をかけて20万本以上もの杉を植樹し、家康の33回忌の年に日光東照宮の参道並木として寄進したもので、今では樹高約30mにも成長している。この杉街道や山に植林した木のために、息子の話では宇都宮地方には杉花粉が多く、花粉症も多いのだそうだ。
 翌日は日光東照宮に脚を伸ばしたが大変な人出であった。車をJR宇都宮駅に駐車し、そこから参道を歩いた。参道の両側にはお店が軒を連ねていて賑わっていた。しかし片道40分の距離で脚と膝が痛くなり往生した。
 杉の花の季語は春である。

「峡深き日はうつうつと杉の花」
西東三鬼の句である。杉の大木で谷がうっそうとし、そこに杉の花が風に舞っているという意味だろうか

「高原の落日遠し杉の花」
日野草城の句で、杉の花で黄金色に彩られた杉をみていると、落日後でも輝いて見えるという。

「杉並木昔も今も杉の花」 敬鬼

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