春分






 

 地球から見た天空を一つの球体とみなすと、太陽はこの天球を一年かけて一周するようにみえる。また、太陽が移動する道を黄道という。黄道は天の赤道に対して約
2326分傾いている。この角度を黄道傾斜角といい、地球の公転面の垂線に対する地軸の傾きに由来する。黄道と天の赤道との二つの交点を分点という。このうち、黄道が南から北へ交わる方を春分点といい、もう一つの交点を秋分点という。
 今年の春分点は320日、すなわち暦では春分となる。小生は39日に聴神経腫瘍の除去手術を受け、退院しているが、歩くとふらふらするので良いお天気ではあるが家にて静養した。脳内にある腫瘍を手術で摘出するために耳の後ろを半月上に切開し、頭蓋骨を外したので、手術跡は腫れているし痛むのでおとなしくしているしか無い。

 「月日過ぎただ何となく彼岸過ぎ」  
富安風生の俳句。春分は毎年怠りなくやってくるので、若い頃には春分だということに気がつかない。墓参りの習慣も無ければましてや彼岸を意識しない。でも年齢を重ね老境に入ったり、病を得たりすれば、春分を強く意識する。あと何回、春分を迎えるだろうかと。

「春分や病癒えての陽やわらか」 敬鬼

                           2017321