大雪





 二十四節句をみると、立冬を過ぎると冬至が来るが、その前に小雪、大雪と続く。127日頃がそれに当たる。今年は冬が来るのが早く、北の大地札幌では60cmもの積雪があったとニュースで報じていた。ここ東海地方では木枯らし一号が吹き、空気が冷たいが、降雪や風花はまだ無い。それでも夕方のウオー-キングには手袋が欠かせなくたった。
 小林一茶は北国街道の野尻湖の近傍、柏原に生家があり、また終焉の地である。冬は雪が多く、寒冷地だ。したがって、冬の俳句も多い。

「ひいき目に見てさへ寒きそぶりかな」
着る物も貧しく、着ぶくれないと寒さに耐えられない。そんな自分の姿を詠んだものだ。

「うまさうな雪がふうはりふうはりと」
北信濃の雪は湿気が多いので重たく大きい。それをうまそうだと詠んでいる。子どもなら口で牡丹雪を受け止めてうまいと叫んだかもしれない。

「裏壁やしがみつきたる貧乏雪」
吹き付ける雪は北側の壁に張り付いてしまう。とても雪化粧した土壁なんては言っていられない様子を自嘲気味に詠んでいる。それだけ寒冷地に降る雪は生活にとって厳しい。

「手袋にマフラーで歩く大雪かな」 敬鬼

                        20161211