梅雨入り 








 今週、梅雨入りが宣言されたが、梅雨の晴れ間が3日続き、湿度も低くさわやかな天気だ。梅雨の時期が始まることを梅雨入りあるいは入梅といわれ、夏の始まり(初夏)とされる。一方、梅雨が終わることを梅雨明けまたは出梅といわれ、盛夏の到来となる。
 この季節の花はなんといっても紫陽花だ。あじさいの語源は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい」からきているらしい。
 この花はその色が少しずつ変化する珍しい特徴がある。最初は薄い黄緑色を帯びており、アントシアニンが合成され、赤や青に色づいく。さらに日が経つと有機酸が蓄積され赤味を帯びるようになるという。

「紫陽花やきのふの誠けふの嘘
子規の俳句。紫陽花のいろが変化することを人に例えて詠んだ。

「あをあをと墓草濡るる梅雨入りかな」
 飯田蛇笏の俳句。しょぼしょぼと長く降る雨は墓石も濡らし、その周りの草も濡らして青さを濃くする。こんな心やすげる情景が浮かぶ。

「梅の実を売り払ひたる梅雨入かな
子規の俳句。この頃は梅の収穫期で売り尽くされた青梅を詠み込んでいる。

「入梅や雨空のもと青菜伸び」 敬鬼            

                       2018613