宇都宮 

 

 

 長男が宇都宮に家族で住んでいる。昨年11月末に2番目の子(女)、私には孫が誕生したので訪問した。宇都宮は東京から東北新幹線で50分程度であり、大宮を過ぎた当たりから田植えが終わったばかりの田園風景が続き、目にさわやかであった。

「目にさやか飛び去る車窓の早苗かな」(敬鬼)

 宇都宮市は栃木県の県庁所在地、人口は52万、中核都市とのことだった。最近は、B級グルメの餃子で知られ、駅前にも有名店がいくつも見られた。われわれも、迎えが来る間に小ぶりの一口餃子を賞味したが、皮はパリッ、中身はニンニクがほどよくきいていて美味だった。
 今回の宇都宮訪問は誕生した孫に会うのが目的だったので、さっそく長男宅を訪問した。まるまると太り、ときどきニッコリと微笑む可愛らしい女の子であった。さしずめ、

「みどりごの手足まるまる若葉かな」(敬鬼)といったところ。 

 長男家族と2日間にわたって親交後に、日光と中禅寺湖を訪ねた。ここは新婚旅行の地でもあるので、52年ぶりの再訪となった。陽明門は修復中で残念だったが、陽明門の周囲にある建物や本堂を見学した。

「権勢を今に伝える陽明門」(敬鬼)

 昼食には湯葉入りのそばを食した。そばは更科そばであり、湯葉も甘辛く味付けしてありおいしく頂けた。ここは湯葉が名品であるようだ。

 華厳瀧を見学した、いまでは滝壺近くまでエレベータで100mを降下して行ける。瀑布は110mで、轟音をもって流れていた。確か、新婚旅行地は水流不足で豪快さに欠けていたが、今回は観望に値する滝だった。

「深緑や轟き流れる華厳瀧」(敬鬼)

 中禅寺湖は男体山に抱かれて静かに横たわり、釣り船が三々五々揺れていた。中禅寺湖は、2万年前に男体山の噴火でせき止められてできたもので、自然湖としては日本一標高の高い場所(1200m)にあり、8世紀後半に神仏に祈る修行の場として開かれたという。

「男体の湖面に降るよな鳶の鳴き」(敬鬼)       

                              2016525