雪景色





 正月も15日を過ぎると、寒波が北陸、関東、そして東北を襲った。ここ名古屋でも雪が5センチ降り積もった。夜明けにに眼を醒まし窓を見やると、ほのかに明るい。屋根、公園など一面の雪景色になっていた。
 気象解説によるとラニーニャ現象のせいだそうだ。ラニーニャ現象は、太平洋赤道地域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低い状態が続く現象だそうで、エルニーニョ現象の反対の現象だという。このために太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなり、日本も例年よりは寒くなるようだ。
 確かに、朝などの室温は暖房を切ってあるせいか、10度以下となり、外気温はしばしば零下2度くらいとなって氷が張っている。寒いのは高齢になると辛いものがあるが、しかし窓から見える雪景色は白と黒の日本画のようで清冽に感じられる。

「雪降るよ障子の穴を見てあれば」

子規は、しんしんと降る雪を障子の穴から飽きるとも無く見ていたのだ。たしかに雪はつきるとも無く降り続く。

「雪の上に雪降ることのやはらかし」

雪は降り積もった雪の上に降り注ぐ、しかも音もなく。 西東三鬼はこれをやわらかと表現した。

 「朝の陽に淡い墨絵の雪景色」 敬鬼

                                2018128