雪柳







 桜が今年も満開になった。これはこれで華やかで桜のトンネルを通ると気持ちも華やぐ。その桜の下には、これも華やかに咲く花がある。雪柳だ。垂れた枝先に小さな白い花をいっぱいに付け、清楚にもあでやかにも感じる花である。この木は高さが1m位の低木だが、連なって植わっていると小さい花が真っ白なために壮観だ。この木はその花の姿形から小米花(こごめばな)あるいは蜆花(しじみばな)とも呼称される。

 「あたたかき試歩をとどむる雪柳」
 草城の俳句、暖かい春の日、病気のあとの足慣らしをしていたら雪柳があり、足が留められたことよと詠む。

 「井戸ばたにこほれて白し小米花」
 子規、井戸端に咲く雪柳の花が散り、まるでお米がこぼれているようだという。

「雪柳白さの化身あでやかに」 敬鬼

                                                                 2019年4月6日